感性を刺激される【ニューヨーク ファッションウィーク】をレポート!滝沢結貴さんのN.Y.Tips
ドイツのジュエリーブランド「グロッセ・グラッセ」のディレクターとして、ニューヨークを拠点に活躍する滝沢結貴さんが、現地のファッション、ビューティー、グルメ情報などをつづる本連載。さまざまなジャンルにおいて世界の最先端をいくニューヨークでの滝沢さんの生活は、大人レディの感性にも新鮮な刺激をもたらしてくれるはず。
みなさん、こんにちは! 滝沢結貴(たきざわゆき)です。いかがお過ごしでしょうか? 今回は、ニューヨークで毎年2回行われる、ニューヨーク ファッションウィーク(通称NYFW) についてレポートいたします。
世界中からおしゃれ通が集まるファッションの祭典!
NYFWは、毎年2月(秋冬コレクション)と9月(春夏コレクション)の2回開かれるファッションショーやエキシビジョンの通称。ラグジュアリーブランドをはじめとし新作を発表するファッションウィークシーズンは、NYを皮切りにロンドン、ミラノ、パリと続いていきます。その最初の地ということで、NYFWのタイミングには毎シーズン世界中からエディター、バイヤー、インフルエンサーたちが集まりNYの街中も華やかになります(コロナ禍でほとんどの方がNYまで来れない数年が続きましたが、この数シーズンでやっと人もエネルギーも戻ってきた印象!)。今年の9月に行われたNYFWでは、私もたくさんのブランドさんのショーを拝見させていただきました。今回はその中で印象的だったブランド3つをご紹介いたします。
kate spade NEW YORK
NYFWのトップバッターを飾った、ケイト・スペード ニューヨークのプレゼンテーション。NYを象徴するハイラインで開催されたプレゼンテーションは、マンハッタンの春一番からインスピレーションを得たコレクション。冬のワードローブを脱ぎ捨てた瞬間の前向きな感情を表現したお洋服たち……。ビビットなカラーリングやグラフィカルなパターンが素敵でした!
ADEAM
デザイナーの前田華子さんが、日本人で初めてニューヨーク・シティ・バレエ団の衣装を手掛けるという快挙を遂げたことでも話題のADEAM。今シーズンは、バレエからインスピレーションを受けたコレクションが登場し、優しいペールトーンのカラーリング、チュチュやリボンを彷彿させるロマンチックなルックが多数登場。ふわっとしたシルエットに、パンチのあるブーツやアクセサリーをコーディネートしているところがとてもNYらしく、力強いパッションを感じました。ランウェイには、ニューヨーク・シティ・バレエのプリンシパルがパフォーマンスを披露するシーンも。エレガントでありながら、とても旬なコレクションでした。
Tory Burch
今年リニューアルされたアメリカ自然史博物館で行われたトリー バーチのショー。〝心のスペースを開放する服〟を表現した、羽のように軽い素材、かさ張ることなく構造とボリュームを構築するダイナミックなレイヤーを施した日常にマッチするルックたち。シルエットが美しいハンドバッグ、顔を包み込むようなサングラス、丸みを帯びたエッジで構成されたシューズといったアクセサリーがとても印象的でした。
そして、ランウェイには水原希子さんが登場して、グローバルに活躍する女性はとてもかっこいい!と痺れる瞬間もありました。
いかがでしたでしょうか? ファッション業界で長年働く身として思うことは、やはりファッションは芸術と同じで人々の心を豊かにし、イマジネーションを膨らませてくれるもの。かれこれNYFWの取材を8年ほど続けていますが、支持され続けているブランドは、コレクションだけではなく、ブランドの経営理念、マインドが素敵なことがほとんど。特にニューヨークは、ダイバーシティに富んだ街なので、アメリカの中でも前衛的な考えの方々が多く、いつも刺激になります。ファッションはもちろん、心も常日頃からアップデートし続けていき、内側から強くしなやかな人になっていきたいな、と改めて思ったファッションウィークでした。
ファッションプロデューサー/ディレクター 滝沢結貴
ジュエリーブランド「アインス バイ グロッセ」プロデューサー、「グロッセ グラッセ」ディレクター、「グロッセ」グローバルPRディレクター。 大学在学中に、世界中のセレブリティーが愛用するドイツのコスチューム・ジュエリーブランド「グロッセ・グラッセ」のディレクターに就任。 美人百花をはじめ、多数のファッション雑誌にも出演。 2018年には、グラミー賞でデビューしたジェンダーフリーブランド「アインス バイ グロッセ」のプロデューサーに就任。 2020年、アメリカに拠点を移す。 自身のSNSではブランドのPR活動はもちろん、ニューヨークでの生活、カルチャーなどの情報を発信している。