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「目の前の問題に取り組むことで気づきが広がる」滝川クリステルさんに聞く〝社会問題〟

〝社会問題〟というと大きすぎるテーマに聞こえるけど、私たちにもできることがたくさんあります。新しい未来を切り開くために積極的に歩みを進める滝川クリステルさんにお話を聞いてみました。

ジャケット¥97,900/ヌメロ ヴェントゥーノ(IZA) ピアス¥195,80(※片耳での販売価格です)/レポシ(レポシ日本橋三越本店)

目の前の問題に取り組むことで気づきが広がっていく

 

「15年ほど前から動物保護の活動を始め、2014年には「アニマルウェルフェア向上」を目標に一般財団法人『クリステル・ヴィ・アンサンブル』を立ち上げました。活動を続けていくなかで何より大きかったのは、動物保護を起点にさまざまな社会問題に気づけたこと。動物は、私たちの暮らしのあらゆる場面と密接に関わっています。ペットとして癒しをもたらしてくれる以外にも、衣や食、また地球の自然環境も、実は動物たちがいるおかげで維持されているのです。人間は動物に支えられて生きているにも関わらず、動物を取り巻く環境を過酷に変化させてきました。正直、知らない方が幸せだったかもしれないと感じてしまうことも多々ありますが、私は知ることを選びました。そして知った今、彼らの安寧を願い行動に移すことが自然と生活の一部になっています。地球環境に優しくあることはお金も手間もかかりますから、誰かに強制できることではありません。ただ、知ることで目の前が開けていくことがあります。すると、多くの問題が『無視できない自分ごと』になっていく。社会問題に向き合うきっかけとは、つまりそういうことなのかもしれません」

私たちはすでにフードロスの当事者です

「動物保護と並んで日本の深刻な課題だと感じているのが、フードロス問題。大きな原因のひとつに、レストランやスーパーで『売り切れ』が非難されてしまう日本の風潮があります。多くのお店が、余ることを前提に大量の食材を調達しますが、『余ったら捨てればいい』という考えはそろそろ見直す必要があるのではないでしょうか。私たちがお支払いする代金には、『ゴミになる前提の食材分の価格』が上乗せされていますし、そのゴミ処理には莫大な税金が使われていることをご存じですか? また、日本ではふぞろいの野菜や果物がスーパーに並ばないのも不思議なこと。これが海外のマルシェなら、大きさや形がマチマチなのは当たり前。私たちは、見た目の美しさを求めすぎているのかもしれません。見直すべきポイントは、『常識』や『当たり前』のなかにも隠れています」

女性の「選択」が 社会を動かすチカラになる

「もしもペットを飼うときは、ぜひ保護犬や保護猫を選択肢に入れてください。ペットショップで購入することが悪いとは言いません。ただ、『命』が靴やバッグと同じようにショーウインドーに飾られることに、少し疑問を抱いてみてほしいのです。フランスでは、来年から『ペットのショーウインドーへの陳列』を禁止する法律が施行されます。なぜなら、動物の命は、可愛さに釣られて購入してよいものではないからです。たとえば、近年人気を集めているティーカップサイズのワンちゃんは、小さく改良されすぎたせいで子どもを産むことができない子がたくさんいます。果たして、これは生き物にとって健康な状態でしょうか? ペットに限らず、商品は求める人がいるから作られるもの。特に女性は、昔から消費の流れを決めるカギになると言われています。女性の『選択』 には、マーケットを動かすチカラがある。私たちが意識を高く持ち、吟味することで、売る側の責任を問うていきましょう」

ジャケット¥79,200、パンツ¥102,850/ともにマメクロゴウチ(マメクロゴウチ オンラインストア) ピアス¥396,000、リング¥484,000/ともにブチェラッティ 靴¥97,900/セルジオ ロッシ(セルジオ ロッシ カスタマーサービス)

PROFILE

滝川クリステルさん

1977年フランス生まれ。フジテレビ『ニュースJAPAN』のキャスターを経てフリーに。2013年、フランス藝術文化勲章を受章。東京2020オリンピック・パラリンピック招致のアンバサダーとして記憶に残る活躍を果たす。2014年、アニマルウェルフェアに則った犬猫の殺処分ゼロと生態系の保全を活動の柱とする一般財団法人 クリステル・ヴィ・アンサンブルを設立。

掲載:大人百花Spring issue「滝沢クリステルさんと考える未来」
撮影/中村和孝 スタイリング/長澤実香  ヘアメイク/野田智子  取材・文/村上治子 撮影協力/PROPS NOW 再構成/大人百花web編集部

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