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田中みな実の新境地!朗読を担当したジェーン・スー著「⽣きるとか死ぬとか⽗親とか」が「Audible」で配信スタート

フリーアナウンサーの枠を超え、いまや俳優、モデル、タレントとマルチに活躍する田中みな実さん。2023年12月27日(水)からは、音声エンターテイメントコンテンツ「Audible」にて、彼女の朗読によるジェーン・スーさん著「⽣きるとか死ぬとか⽗親とか」が配信されます。みな実さんにとって、また新たな挑戦となった「Audible」での本の朗読。それを通して彼女が思う、紙の書籍とは違う「Audible」や作品のおもしろさについて語っていただきました。

小説から実用本まで、ジャンルを問わずさまざまな本を読んでいる読者家のみな実さん。そんなみな実さんが思う「Audible」の魅力とはなんでしょうか?

聴いているうちに作品の世界観にどっぷりと浸れる感覚に陥れることでしょうか。私の母が、「Audible」に出会ってから人生が変わったというぐらいの愛聴者なんです。祖父の病院への付き添い、姉の子供たちの習い事の送り迎えなど、何かと車での移動が多い母は、ひとり帰路につきながら、読みたかった本を耳で楽しめるのが夢のようだと、嬉々として話してくれます。炊事洗濯などの家事の最中も耳で本を読み進められるから最高!とのことです。そんな母の感動体験を聞いて私も「Audible」のアプリをインストールしようかなと思っていたところ、今回のお話をいただいて驚きました。

そんなこんなで、結果的には朗読をすることが決まってから「Audible」を利用し始めたので、他のナレーターのみなさんがどのぐらいのテンポやトーンで読まれているのかを知りたくて、勉強的な感覚でたくさんの作品を少しずつ聴き齧りしていたんです。でも、作品によっては参考にするつもりが、いつの間にかすっかり作品の中に入り込んでしまって何時間も夢中になって聞き入っていたなんていうことも。
好きな本に出会うと「早く続きを読みたい!」という気持ちにさせられますよね。「Audible」も同じで、ちょっとの隙間、5分でもいいから続きを聴きたくなります。それだけ作品に没入できると、日常の些細なことでストレスを感じた場合でも、ネガティブな感情が払しょくできてリセットされる気がするのです。

今回みな実さんがナレーターをご担当されたジェーン・スーさん著「⽣きるとか死ぬとか⽗親とか」の朗読のお話を受けたときの率直な感想を教えてください。

数年前にこの作品がドラマ化された際に、私も登場人物のひとりとして役をいただきました。そのご縁もあってお話をいただけたのかなと思っているのですが、ドラマに出演する以前からとても好きな作品なので、この一冊にここまで深く関わることができて幸せです。

ユーザーには作品をどのように聴いて欲しいと思っていますか。

読み手を感じることなく聴いてほしいな、と。「Audible」の朗読を担当されている方々は多岐にわたり、お声に特徴がある方はその個性ありきで作品に求められていると思うんです。でも私の場合は、きっとそうではないから“田中みな実”の存在をできる限り薄めて読ませていただきました。私というキャラクターを感じることで変に先入観を持たれてしまうのは、作品の邪魔をしてしまう。できることなら意識せずに聴いてほしいです。

みな実さんにとって初の試みとなった本の朗読ですが、今回どのような点を意識して読まれましたか?

なるべく長時間聴いていても疲れないトーンやテンポを心がけました。…心掛けましたが、どうでしょう(笑)。「Audible」はどの作品も比較的数時間はあるのかな。だから聴き手にとって心地よくありたいなと。例えば妻夫木聡さんが朗読されている人気コンテンツの「ノルウェイの森」は上巻だけで9時間弱あります。通勤中や家事の合間、散歩をしながらなど、日常の楽しみにしてほしいから、決してストレスになってはいけないと思うんです。柔らかで穏やかな妻夫木さんの語りがとても素敵で、合間合間で聴いていても、途端にその世界観に引き戻してくれる感覚がありました。あらゆる状況であらゆる世代が聴いてくださることを思うと、早過ぎても聴きづらいし、ゆったりし過ぎても間延びしてしまう。まだ読む原稿が半分ほど残っているのですが※、日々模索しながら臨んでいます。

※2023年11月22日インタビュー時点

大人百花はover35歳をターゲットにしたファッション誌です。「⽣きるとか死ぬとか⽗親とか」について、over35歳の女性が共感しそうなポイントについて教えてください。

あらゆるところで共感しまくりなのではないでしょうか(笑)。ジェーン・スーさんは女性のモヤモヤとした感情や、普段は表に出さない秘めた感情とかを言葉にする天才です。でも、この本にいたっては女性だからこその視点というよりも、家族との関わり方や、亡くなった母親とは果たせなかった思いを繰り返さないためにも父親とはちゃんと向き合おうという気持ちが描かれていて、親とのこれからの関係性を改めて考えさせられるような物語だと思っています。彼女がお父様と暮らす日々の中で、お互い悪気はないんだけれども、ついムキになって言い合ってしまったり気まずくなってしまったり。そういう親子間で起こるちょっとしたいざこざで、彼女の中でふと湧き出る感情というのは誰しも経験したことがあるのではないでしょうか。

あと、ジェーン・スーさんのコラムや、ラジオのお悩み相談で的確に応えている姿などから、私たちは彼女に対して明るくて包容力があって自立した芯の強い女性っていうイメージを持ってしまうけれど、そんな人もこういう悩みを抱えていると思うと、人は誰しもそういう一面を持っているんだなって。だから、クヨクヨばかりしてもいられないなという気持ちの後押しにもなってくれるような気がしていて。だけどこの作品には決して押し付けるようなメッセージ性はないので、聴いていただいたみなさんそれぞれの中で、心動かされる何かを感じていただければうれしいですね。

撮影/野口マサヒロ 取材・文/君島友喜

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