今訪れるべき日本の穴場!島根県・石見地方の伝統文化と食を巡るスローな旅へ
近年はインバウンドの影響で混雑している観光地が多く、国内旅行でもなかなかゆったりと羽を伸ばせる場所が少なくなっているのが現実。そんな今だからこそ、有名観光スポットにも劣らない魅力を秘めた日本の穴場を開拓するチャンス!
そこでご紹介したいのが、島根県の石見地方です。島根県の西部に位置する石見地方では、出雲大社が鎮座する東部とはまた異なる文化が育まれ、今もなおその伝統文化が脈々と受け継がれています。今回は、そんな石見地方で訪れるべき歴史を体感できるスポットや、土地の恵みをいただけるグルメスポットをご紹介。
日本の原風景が残る美しい地と美味を巡るうちに、いつの間にか心身もゆるりと解きほぐされているはず。
江戸の趣と風情が薫る山陰の小京都、津和野を散策

出典:大人百花web
萩・石見空港に到着したなら、まずは空港から車で約40分の場所にある津和野を散策。山陰の小京都と呼ばれ、カトリック教会や藩校養老館跡、郡庁跡、津和野藩家老多胡家表門など、城下町だった江戸時代当時の面影を残す史跡が今も多く点在しています。
メインストリートである殿町通りには、地元の食材を使った郷土料理店や老舗の酒造、津和野名物の「源氏巻き」の手焼き体験ができる和菓子店、カフェなどが並んでおり、立ち寄りたくなるスポットがたくさん! 町のシンボルとして愛される、掘割で悠々と泳ぐ鯉の姿にも癒されて。

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地元の山菜や川魚を使った料理が楽しめる「郷土料理 遊亀」のうずめ飯。津和野名物であるうずめ飯は、ご飯の下に小さく刻んだ具材を隠しているのが特徴。お茶漬けのように出汁をかけていただく。
郷土料理 遊亀

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島根で3番目に古い酒屋で1730年創業の「華泉酒造」。人の手を使う昔ながらの手法を守りながら、時代に合わせた新しいスタイルの日本酒も展開する。店頭での購入はもちろん、試飲も可能。人気は神様の使いであるキツネをモチーフにした「㐂津禰」シリーズ。
華泉酒造

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津和野銘菓である源氏巻の手焼き体験(※3月〜11月下旬)ができる「竹風軒」。源氏巻を食べやすくカットして個包装にした「源氏草子」もあるので、お土産にいかが?
竹風軒

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日本五大稲荷、太皷谷稲成神社で大願成就祈願!
津和野を訪れたなら、日本五大稲荷のひとつに数えられる太皷谷稲成神社にもぜひ参拝したいところ。稲荷ではなく“稲成”と表記されるのは、願望成就・大願成就の意味が込められているからだそう。朱塗りの鳥居がずらりと並んだ千本鳥居は壮観!

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太皷谷稲成神社 島根県鹿足郡津和野町後田409
旅の拠点にしたい、モダンなクラフトホテル「MASCOS HOTEL」
萩・石見空港から約10分の位置にある益田市のホテル「MASCOS HOTEL」は、空間デザインやインテリア、器、ファブリックなど、ホテルを構成する全てにおいて地場産業と共同開発することにこだわった新しい“クラフトホテル”。また、地下から直接汲み上げる天然温泉「益田温泉」も自慢です。地元の新鮮な食材を贅沢に使ったコース料理や朝食ビュッフェも大人気!

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神々が勇壮に舞う! 石見が誇る伝統芸能、石見神楽

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古来より石見地方に伝わる伝統芸能が、日本遺産にも登録されている石見神楽。日本神話を題材に、豪華絢爛な衣裳と観る者を圧倒するダイナミックな演出が観客を興奮の渦へと巻き込みます。演目は神様を迎えるための儀式舞や、古事記や日本書紀をもとにした能舞など30以上にものぼるのだとか。その中でも特に代表的な演目が、須佐之男命が八岐大蛇を退治する「大蛇」。とぐろを巻きながら襲いかかる大蛇と、剣で果敢に立ち向かう須佐之男命との壮絶な闘いは大迫力!
石見地方には現在130を超える神楽団体があり、道の駅や温泉施設など、各地で定期公演が開催されています。通年通して気軽に鑑賞することができるので、目の前で迫真の演舞を体感してみて。
1300年の歴史を体験! 石州勝地半紙の工房で思い出作りを

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石見地方で長い歴史を持つ伝統工芸品のひとつが、手漉き和紙である石州半紙。平安時代の書物にはすでに石州半紙のことが記されており、その歴史は約1300年にもおよびます。国の重要無形文化財やユネスコ無形文化遺産にも登録されている、大変貴重な技術です。
「石州勝地半紙」の工房では、そんな手漉き和紙の紙漉き体験をすることができます。園内で摘んだ草花を和紙に漉き入れて作るはがきは、ミニランプに仕上げることも◎。世界にひとつのインテリアは、愛着もひとしお。工房では6代目の佐々木誠さん自らが工房を案内し、和紙の歴史について丁寧に説明してくれる。
石州勝地半紙
味わい深い色味とタフさが魅力。長く愛せる石見焼き
実は、焼き物の産地でもある石見地方。江戸時代、片口や徳利といった小物作りが石見焼きの始まりとされていますが、硬質で耐水・耐塩・耐酸に優れていることから、次第に水甕や漬物の貯蔵用の壺としての需要が広がりました。現在はお皿やマグカップ、花瓶など現代の生活に溶け込む器も多く作られています。
江津市にある窯元のひとつ、「石州嶋田窯」の店頭では、市場に出回っているものよりもお得に購入できる食器類を販売。掘り出し物が見つかるかも!?

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石州嶋田窯
島根県江津市後地町1315
0855-55-1337
芙蓉ポークの美味しさに感動! レストラン ケンボロー
島根自慢のブランド豚、“芙蓉ポーク”をいただけるのがこちらのレストラン。芙蓉ポークはサシ(筋肉内脂肪)をできる限り少なくし、赤身の旨味を追求した、飽きのこないさっぱりとした肉質が特徴。自社養豚場と自社農園から届くフレッシュな豚肉と野菜をさまざまな料理で楽しめます。芙蓉ポークの美味しさをダイレクトに感じたいなら、Tスペシャル-250か鉄板ステーキがおすすめ!

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鉄板ステーキ(ライスセット付) ランチタイム2,890円、ディナータイム3,250円
レストランケンボロー
石見の厳選食材を丁寧に手作りで。わざわざ訪れたいカフェ、風のえんがわ
もとは養蚕小屋だった古民家をリノベーションしたカフェ「風のえんがわ」は、地元の人はもちろん、料理の美味しさや雰囲気のよさに惹かれ観光客も多く訪れる人気店。食材の野菜や魚、肉などはほとんどが石見産で、誰もが安心して食べられる有機栽培や天然のものを厳選。その日にとれた食材によってメニューの構成が変わるため、訪れるたびに新しい美味しさを発見できる場所です。

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新感覚のクラフトビールをラインナップ。高津川リバービア
一級河川である高津川の美しい水と、地域の農作物を使った個性的なクラフトビールを作る醸造所。地元の醤油が隠し味の「和ヴァイツェン」、津和野町の特産品であるまめ茶を使った「まめ茶ブラック」、益田市の美都を拠点に栽培しているいちごが香る「美都いちごセゾン」など、この土地ならではのユニークなビールが揃います。なかでも1番人気の商品は、益田市で育ったシャインマスカットの華やかかつ爽やかな風味が際立つ「益田マスカットエール」。苦味が少ない、すっきりとしたマイルドな味わいはビールが苦手な人にも◎。醸造所が運営する「クラフト酒場高角」では、手作りのおつまみと一緒に日替わりのクラフトビールが楽しめます。

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(左)古民家を改装した「クラフト酒場高角」。(右)益田マスカットエール 660円。
高津川リバービア クラフト酒場高角
島根県益田市高津2-3-19
女子会の手土産に持っていきたい! 日本海酒造の「環日本海 特別純米いと美し」

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島根県といえば美肌を持つ人が多い美肌県としても知られていますが、そんな土地柄を象徴するようなお酒が、石見地方の老舗酒造「日本海酒造」から誕生! それが、コラーゲン量を増やすことが実証されている日本酒の旨味成分α‐EG(エチルグルコシド)を通常の日本酒より多く含むよう醸造された「環日本海 特別純米いと美(うま)し」です。軽やかな香りがありながらしっかりとした旨み、そしてキレのよさが特徴で、さまざまな料理とマッチ。よりすっきりと楽しむなら、炭酸で割るのもおすすめです。